代表 野口朋寿の思い
tototoが目指す未来
tototoは漁業文化が息づく富山県氷見市を拠点に、「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」を大切にしています。
ブランド名には、魚を指す “魚々”(とと)という言葉に1文字 “と”を加えて、 “魚々と” 私たちが共存する、より豊かな未来を創っていくという思いを込めて名付けました。
まだまだ未熟なブランドですが、日本だけでなく世界中の人を笑顔にすることを目指して、どんな荒波にも負けず頑張ってまいります。
そして氷見(Himi)という地名がフィッシュレザーと共に広く世界へ知られていくよう、今までもこれからも応援して頂いている皆さまと一緒に、一歩ずつ進んで行きます。
明日へと続く、より豊かな未来を目指して。
どうぞよろしくお願い致します。
tototo代表 野口 朋寿
2016年。フィッシュレザーを製作し始めたきっかけは、大学4年生の時。大学では漆工芸の勉強をしていたのですが、趣味でレザークラフトもやっていました。卒業研究が始まった頃、私は「漆とレザーを組み合わせて新しいものを作ってみよう!」と考え、牛革にはじまり豚革、ヘビ、ワニなど様々な種類の革を調達しては漆を塗ってみるという実験をしていました。
ある日、レザーについて調べていると「なめし加工」という生の「皮」から丈夫な「革」へと加工する技術に興味を持ちます。
なんでもやってみたくなってしまう私は、スーパーで売っている鶏皮でレザーができることを知り、早速買いに行きました。お肉コーナーで鶏皮をゲットした後、鮮魚コーナーを通った時ふと「魚の皮ってレザーになるのかな」と思い、とりあえず鶏皮と一緒に小さいスズキを1匹買って帰りました。
その後、魚の革「フィッシュレザー」について調べると、日本で作っているところがないことを知り、昔から魚好きだった私は「捨てられてしまう魚の皮があるのなら自分で作ってみたい!」と思い、実験を始めたのが「フィッシュレザー」が生まれる最初のきっかけです。
もちろんはじめは魚の皮の加工方法などなにも知らない状態でした。ネットの記事を参考に加工するも、できたものは脂でベトベト、ウッとする魚臭さで堅い干物のよう...。やはり素人がレザーに加工するのは無理なのかな・・・と思いました。
私が研究を始めた頃、隣町の氷見市でフィッシュレザーを使ってものづくりを始めた人たちがいるという情報を人づてに聞きました。同じ時期にめずらしい取り組みをやっている人がいたことに、とても驚いたと同時に加工に悩んでいた私は、嬉しくなりすぐさま会いに行きました。
そこでお会いしたのが地元靴職人の釣賀 愛さん!
釣賀さんは氷見で獲れた魚の皮を廃棄せずに資源として活かしたいという思いから、地元アートNPOの方々と協力し、魚の皮を使ったサンダル“トトサン”プロジェクトを始めていました。そこで私もフィッシュレザー開発のために協力させて頂けることとなりました!
地元の魚屋さんや釣り名人のおじいちゃんなど、多くの方からの魚の皮を提供してもらい、本格的に魚の“革”づくりへの挑戦が始まりました。
しかし簡単に「なめし」の技術が確立できるはずもなく、魚のにおいが抜けなかったり、しなやかな質感が出なかったりと幾度となく失敗を繰り返しました。
実験の日々は次第に1年、2年と過ぎていきました...。
それでも少しずつ改良を重ねながら、革なめしの職人さんや革産業のまち墨田区にある「東京都立皮革技術センター」の協力も得て、ついに3年後魚臭くない丈夫でしなやかな「フィッシュレザー」を作ることができるようになりました。多くの方のご協力、ご支援がなければここまで出来なかったと強く感じています。
遂にフィッシュレザーが作れるようになったわけですが、3年のうちに“トトサン”プロジェクトは終了し、結果的に製作にのめり込んでいた私だけがフィッシュレザーを作ることができるようになっていました。
せっかく確立した技術をうまく活用できないか…
そんな思いから続けられる道を探し、氷見市の地域おこし協力隊として地域おこしの仕事に携わりながら、起業を目指すことになりました!
当然ながら経営や販売の経験もなく、約2年ほどは仕事をしつつ勉強しながら試行錯誤する日々でした。その過程で、出会った様々な方のご協力を経て、ブランド立ち上げの資金調達としてクラウドファンディングを実施することとなりました。
全てが初めての取り組みで、常に不安で終了までは精神的に苦しかったですが、最終的に80名の方から134万円ものご支援を頂き、ブランドをスタートすることができました。
本当に感謝してもしきれません。心より感謝申し上げます。
ここまでが、私がtototoを立ち上げた経緯になります。
ここまで長文をお読み頂いた皆様、本当にありがとうございます!
と言いながらも、もう少しお伝えしたい、フィッシュレザーを製作するうえで大切にしていることがあります。それは「環境を守る、持続可能なものづくりをする」ということ。
フィッシュレザーを作る実験の過程で直面したのは、あまりにも効率重視の、環境や人体に悪い加工方法が主流だったことでした。
続きは「海を守りたい」のページをぜひご覧ください。